住宅ローン

高田亮介 | 公的機関データに基づき作成

住宅ローン控除の確定申告ガイド|初年度の手順・必要書類・e-Tax

住宅ローン控除(住宅ローン減税)を受けるには、入居した翌年に確定申告が必要です。 会社員であっても初年度だけは確定申告が必須で、 2年目以降は年末調整で手続きできます。 「何を準備すればいいの?」「e-Taxでできるの?」と不安な方も多いですが、 国税庁の確定申告書等作成コーナーを使えば、 案内に沿って入力するだけで控除額が自動計算されます。 この記事では、初年度の確定申告の具体的な手順、 必要書類の入手方法、よくある失敗と対策を詳しく解説します。

住宅ローン控除の確定申告が必要な人

以下に当てはまる方は、確定申告が必要です。

対象者確定申告年末調整
住宅ローン控除の初年度(全員)必要不可
2年目以降の会社員不要可能
2年目以降の自営業・フリーランス毎年必要不可
医療費控除等を併用する会社員必要(その年のみ)不可
申告期間:入居した翌年の2月16日〜3月15日が確定申告期間です。 ただし還付申告(税金が戻ってくる申告)の場合は、 1月1日から5年間いつでも提出可能です。 e-Taxなら24時間提出でき、還付も2〜3週間と早くなります。 (参考:国税庁 住宅ローン控除を受ける方へ

必要書類一覧と入手方法

住宅ローン控除の確定申告に必要な書類は、住宅の種類(新築・中古・リフォーム)によって 若干異なりますが、共通して必要な書類は以下のとおりです。

書類名入手先備考
確定申告書国税庁の確定申告書等作成コーナー / 税務署e-Taxならオンラインで完結
(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書国税庁HPからダウンロード / 税務署作成コーナーなら自動作成される
住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書金融機関から郵送(10〜11月頃)調書方式対応の金融機関は不要(マイナポータル連携)
登記事項証明書(建物・土地)法務局の窓口 / オンライン請求オンライン請求なら1通480円(窓口は600円)
売買契約書または工事請負契約書のコピー不動産会社・建築会社から受領済み契約金額・引渡日が確認できるもの
源泉徴収票勤務先から発行(12月〜1月)会社員の場合。マイナポータル連携で自動取得も可能
マイナンバーカード(またはマイナンバー確認書類)市区町村e-Taxにはマイナンバーカードが必要
住民票の写し市区町村窓口 / コンビニ交付入居日の確認に使用。マイナンバー記載不要

住宅の種類別の追加書類

住宅の種類追加で必要な書類
認定長期優良住宅認定通知書のコピー
ZEH水準省エネ住宅住宅省エネルギー性能証明書またはBELS評価書
省エネ基準適合住宅住宅省エネルギー性能証明書
中古住宅上記に加え、耐震基準適合証明書等(1982年以前の建築の場合)
年末残高証明書の扱いが変わりました:2024年以降、「調書方式」に移行した金融機関では、 年末残高証明書の郵送がなくなり、マイナポータル経由で情報を自動取得する方式に変更されています。 事前に金融機関に「住宅ローン控除の適用申請書」を提出しておく必要があります。 対応金融機関は国税庁HPで確認できます。 (参考:国税庁 住宅ローン控除の適用に係る手続

確定申告の具体的な手順(e-Tax編)

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使ったe-Tax申告の手順を ステップごとに解説します。

STEP 1:事前準備(入居した年の12月まで)

  • マイナンバーカードを取得する(まだの場合は市区町村で申請)
  • 金融機関に「住宅ローン控除の適用申請書」を提出する(調書方式の場合)
  • マイナポータルで年末残高情報の取得設定をしておく

STEP 2:必要書類の収集(1月〜2月)

  • 源泉徴収票を勤務先から受け取る
  • 年末残高証明書を確認する(郵送の場合は10〜11月に届いているはず)
  • 登記事項証明書をオンライン請求する(法務局のサイトから)
  • 売買契約書のコピーを用意する
  • 住宅の省エネ性能を証明する書類を確認する

STEP 3:確定申告書の作成(2月〜3月)

  1. 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセス
  2. 「所得税」を選択し、マイナンバーカードでログイン
  3. 収入情報を入力 — 源泉徴収票の金額を転記。 マイナポータル連携なら自動入力される
  4. 「住宅借入金等特別控除」の項目を選択 — 住宅の種類(新築/中古)、入居年月日、床面積等を入力
  5. ローン情報を入力 — 年末残高、借入先、借入金額、返済期間等。 マイナポータル連携なら自動入力される
  6. 控除額が自動計算される — 年末残高×0.7%(借入限度額の上限あり)が表示される
  7. e-Taxで送信 — マイナンバーカードで電子署名して送信
  8. 添付書類を提出 — 登記事項証明書・契約書のコピー等はPDFで送信またはイメージデータで送信。 郵送も可能
e-Taxのメリット:
  • 24時間いつでも提出可能(メンテナンス時間を除く)
  • 還付金の受取が早い(書面提出より2〜3週間早く、提出後2〜3週間で還付)
  • マイナポータル連携で入力の手間が大幅に減る
  • 控除額が自動計算されるため計算ミスがない
(参考:e-Tax 住宅ローン控除の入力方法

書面で提出する場合の手順

e-Taxを利用しない場合は、以下の手順で書面提出します。

  1. 確定申告書等作成コーナーで申告書を作成し印刷(手書きでも可能だが、作成コーナーの利用を推奨)
  2. 添付書類を台紙に貼付 — 源泉徴収票の原本、各種証明書のコピー等
  3. 税務署に提出 — 管轄の税務署に持参または郵送。 郵送の場合は「信書」として送付(レターパック推奨)

2年目以降の手続き(年末調整)

会社員の場合、2年目以降は勤務先の年末調整で住宅ローン控除が受けられます。 初年度の確定申告後に、税務署から「住宅借入金等特別控除証明書」が届きます (残りの控除期間分がまとめて届く)。

必要書類入手先
住宅借入金等特別控除証明書税務署から郵送(初年度の確定申告後に届く)
年末残高証明書金融機関から郵送(毎年10〜11月)。調書方式なら不要
控除証明書を紛失した場合:税務署に再発行を申請できます。e-Taxで確定申告した場合は、 e-Tax上でPDFをダウンロードできる場合もあります。 紛失に気づいたら年末調整の時期(11月頃)までに再発行を依頼しましょう。

よくある失敗と対策

失敗パターンどうなるか対策
確定申告を忘れた控除が受けられない(ただし還付申告は5年間有効)入居翌年の1月中に準備を始める。カレンダーにリマインダー設定
年末残高証明書を紛失申告に添付できない金融機関に再発行を依頼(1〜2週間かかる)。調書方式ならマイナポータルで取得可
登記事項証明書を取得していない申告に添付できない法務局のオンラインサービスで請求(2〜3日で届く)
入居日を間違えて入力控除期間や限度額が変わる可能性住民票の異動届の日付と一致させる
住宅の省エネ区分を間違えた借入限度額が本来より低く計算される住宅メーカー・工務店に正確な区分を確認
共有名義なのに1人で全額控除を申請過大控除で修正申告が必要になる持分割合に応じた金額で各自が申告。ペアローンなら各自の残高で
6ヶ月以内に入居していなかった控除の適用要件を満たさず控除不可引渡しから6ヶ月以内に住民票を異動。リフォーム中でも先に住民票を移す検討を

確定申告のスケジュール

2025年に住宅を購入し入居した場合(令和7年分の確定申告)のスケジュールです。

時期やること
2025年中住宅購入・入居。マイナンバーカード取得。金融機関に適用申請書を提出
2025年10〜11月金融機関から年末残高証明書が届く(調書方式以外)
2025年12月〜2026年1月源泉徴収票を受取。登記事項証明書をオンライン請求。書類を整理
2026年1月〜還付申告なら1月1日から提出可能。早めに提出すれば早く還付される
2026年2月16日〜3月15日確定申告期間。この期間は税務署の相談コーナーも利用可能
2026年3〜4月e-Taxなら2〜3週間で還付金が指定口座に入金
2026年10月頃税務署から「住宅借入金等特別控除証明書」が届く(2年目以降の年末調整用)

控除額の確認方法

確定申告前に、自分がいくら控除を受けられるか確認しておきましょう。

控除額の計算:

年間控除額 = min(年末ローン残高, 借入限度額)× 0.7%

借入限度額は住宅の性能区分と世帯属性(子育て世帯かどうか)で異なります。 例えば認定長期優良住宅の子育て世帯なら借入限度額4,500万円で、 年間最大31.5万円の控除が受けられます。

ただし、実際に控除される金額は所得税の納税額が上限です。 控除しきれない分は住民税から最大9.75万円(所得税の課税所得の5%)が控除されます。 年収が低い場合は、計算上の控除額を全額受けられないケースもあります。

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まとめ

住宅ローン控除の確定申告は、初年度のみ必要な手続きです。 e-Taxと確定申告書等作成コーナーを使えば、自宅から24時間提出でき、 還付も2〜3週間と迅速です。 最も重要なのは書類の事前準備。 年末残高証明書・登記事項証明書・源泉徴収票の3点を早めに揃えておけば、 申告自体は案内に沿って入力するだけで完了します。 控除額は最大で年間31.5万円、13年間で最大409.5万円にもなる大きな制度です。 忘れずに申告して、確実に控除を受け取りましょう。

参考資料:国税庁 住宅ローン控除を受ける方へ国税庁 住宅ローン控除の適用に係る手続e-Tax 住宅ローン控除の入力方法