住宅ローン

高田亮介 | 公的機関データに基づき作成

【2026年最新】住宅ローン減税の仕組みと控除額|新制度の変更点を解説

住宅ローン減税(住宅ローン控除)は、住宅ローンを利用して住宅を取得した場合に、 年末のローン残高に応じて所得税・住民税が控除される制度です。 2025年12月の令和8年度税制改正大綱で2030年末まで5年間延長が決定し、 既存住宅(中古)への支援が大幅に拡充されました。 この記事では、国土交通省の公式情報に基づき、2026年以降の最新制度を解説します。

住宅ローン減税の基本的な仕組み

住宅ローン減税は、年末時点のローン残高の0.7%が所得税から控除される「税額控除」です。 所得税から控除しきれない場合は、翌年の住民税からも一部控除されます(上限9.75万円)。

控除額の計算式:

年間控除額 = min(年末ローン残高, 借入限度額)× 0.7%

「借入限度額」は住宅の省エネ性能・世帯属性によって異なります。 残高がこの上限を超えていても、上限額×0.7%が控除の最大値です。

【2026年〜2030年】新築住宅の借入限度額と控除期間

令和8年度税制改正で、子育て世帯(19歳未満の子を持つ世帯)・若者夫婦世帯 (夫婦いずれかが40歳未満)への上乗せ措置が継続されています。

住宅の種類借入限度額(一般)借入限度額(子育て・若者夫婦)控除期間最大控除額
認定長期優良住宅・低炭素住宅3,500万円4,500万円13年最大409.5万円
ZEH水準省エネ住宅3,500万円4,500万円13年最大409.5万円
省エネ基準適合住宅2,500万円3,500万円10年(一般)/13年(子育て等)最大318.5万円
重要な変更点:省エネ基準適合住宅の「一般世帯」は、借入限度額が従来の3,000万円から2,500万円に減額され、控除期間も10年に短縮されました。 また、省エネ基準を満たさない住宅は原則として住宅ローン減税の対象外です。

【2026年改正の目玉】中古住宅(既存住宅)の大幅拡充

令和8年度改正の最大のポイントは中古住宅の控除拡充です。 借入限度額の引き上げと控除期間の13年化により、中古住宅の購入が以前より有利になりました。

住宅の種類借入限度額(一般)借入限度額(子育て・若者夫婦)控除期間
認定住宅・ZEH水準省エネ住宅3,500万円4,500万円13年
省エネ基準適合住宅2,500万円3,500万円13年
その他の中古住宅2,000万円2,000万円10年
従来、中古住宅の控除期間は一律10年、借入限度額も最大3,000万円でした。 今回の改正で認定住宅等の中古は新築とほぼ同等の控除が受けられるようになりました。 中古住宅の省エネリフォーム+住宅ローン減税の組み合わせが注目されています。 (出典:国土交通省 住宅ローン減税

適用条件

住宅ローン減税を受けるには、以下の条件を全て満たす必要があります。

  • ローンの返済期間 — 10年以上であること
  • 床面積 — 原則50㎡以上。40㎡以上50㎡未満も対象だが、 合計所得金額1,000万円超の年は控除不可
  • 居住要件 — 取得後6ヶ月以内に入居し、継続して居住すること
  • 所得要件 — 合計所得金額が2,000万円以下
  • 中古住宅の場合 — 1982年以降に建築された住宅(新耐震基準適合)
2028年以降の注意点:令和10年(2028年)以降に建築確認を受ける「省エネ基準適合住宅」は、 新築の住宅ローン減税の対象外になります。 また、土砂災害特別警戒区域(災害レッドゾーン)内の新築も対象外です。 (出典:国土交通省 報道発表資料

控除額の具体例(年収別シミュレーション)

借入額4,000万円・金利0.5%・35年ローン・認定長期優良住宅(子育て世帯)の場合、 借入限度額4,500万円・控除期間13年が適用されます。

年目年末ローン残高控除額(0.7%)年収500万の実際控除額
1年目約3,886万円約27.2万円約23.8万円(所得税14万+住民税9.75万)
5年目約3,440万円約24.1万円約23.8万円
10年目約2,878万円約20.1万円約20.1万円(全額控除可能)
13年目約2,543万円約17.8万円約17.8万円(全額控除可能)
13年間の控除合計約273万円
年収500万円の場合、所得税の納税額は約14万円。住宅ローン減税の控除額がこれを超える場合、 住民税から最大9.75万円が追加控除されます。 年収が高いほど所得税から控除できる額が大きくなり、恩恵が大きくなります。

手続きの流れ

  1. 1年目(確定申告が必要):入居した翌年の2月16日〜3月15日に税務署へ確定申告。 必要書類は登記事項証明書、売買契約書、ローン残高証明書、住民票、源泉徴収票など
  2. 2年目以降(年末調整で完了):会社員は勤務先の年末調整で手続き可能。 税務署から届く「住宅借入金等特別控除証明書」と金融機関の残高証明書を提出

繰上返済・iDeCo・ふるさと納税との関係

  • 繰上返済:ローン金利が0.7%以下なら、控除期間中は繰上返済を控える方が得なケースが多い。 金利1%超なら繰上返済の利息削減メリットが上回る可能性あり
  • iDeCo:iDeCoの所得控除で課税所得が下がると、住宅ローン減税で控除しきれなくなるケースあり。 年収500万円以下ではiDeCoの掛金を控えめに調整するのが得策
  • ふるさと納税:ワンストップ特例を使えば影響は軽微。確定申告する年は上限額が1〜3万円程度下がる可能性あり

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まとめ

2026年度の住宅ローン減税は、2030年末まで延長され、特に中古住宅の控除が大幅に拡充されました。 一方で省エネ基準を満たさない新築は対象外になるなど、省エネ性能がますます重要になっています。 住宅の性能区分・世帯属性(子育て世帯かどうか)によって控除額が最大で200万円以上変わるため、 購入前にシミュレーターで自分の条件に合った控除額を確認しておきましょう。

参考資料:国土交通省 住宅ローン減税国土交通省 住宅ローン減税等の延長・拡充 報道発表住宅ローン減税Q&A(2025年4月更新)