住宅ローン比較・検証
高田亮介 | 公的機関データに基づき作成
住宅ローンの固定金利vs変動金利|選び方の判断基準を解説
住宅ローンを組む際、最も悩むポイントの一つが「固定金利と変動金利、どちらを選ぶか」です。 それぞれの仕組みとメリット・デメリットを理解し、自分に合った金利タイプを選ぶための判断基準を解説します。
固定金利と変動金利の違い
| 項目 | 固定金利 | 変動金利 |
|---|---|---|
| 金利水準 | 高め(2026年現在 1.5〜2.0%程度) | 低め(2026年現在 0.6〜0.9%程度) |
| 金利の変動 | 借入期間中ずっと固定 | 半年ごとに見直し |
| 返済額の変動 | なし(完済まで一定) | あり(5年ルールで緩和) |
| 金利上昇リスク | なし | あり |
| 金利下降メリット | なし | あり |
固定金利のメリット・デメリット
メリット
- 返済額が変わらない安心感 — ライフプランが立てやすい
- 金利上昇リスクがゼロ — 将来の金利がどう動いても影響なし
- 家計管理がシンプル — 毎月の支出が予測しやすい
デメリット
- 金利が高い — 変動金利と比べて初期の返済額が大きい
- 金利が下がっても恩恵がない — 借り換えない限り高い金利のまま
- 総返済額が多くなりやすい — 金利差が大きいほど差額も膨らむ
変動金利のメリット・デメリット
メリット
- 金利が低い — 初期の返済額を抑えられる
- 金利が低いまま推移すれば総返済額が少ない
- 繰上返済との相性が良い — 浮いた分を元本返済に回せる
デメリット
- 金利上昇リスク — 返済額が増える可能性がある
- 未払い利息のリスク — 5年ルール適用中に金利が大幅上昇した場合
- 返済計画が立てにくい — 将来の返済額が読めない
2026年の金利動向
日銀は2024年3月にマイナス金利を解除して以降、段階的に利上げを実施し、 2026年3月時点で政策金利は0.75%に達しています。 変動金利の最優遇金利は0.6〜0.9%程度まで上昇しており、 かつての「変動金利なら0.3%台」という時代は終わりました。
一方、固定金利(全期間固定・フラット35)は長期金利に連動しており、 2026年3月時点で1.5〜2.0%程度です。 固定と変動の金利差は依然として0.7〜1.0%程度あります。
注意:今後も利上げが続く可能性があり、変動金利はさらに上昇する見込みです。 一方、すでに金利上昇を織り込んでいる固定金利は、変動金利ほど急には上がりにくい傾向があります。
総返済額のシミュレーション比較
借入額4,000万円・35年返済の場合、金利タイプによって総返済額にどれくらい差が出るか見てみましょう。
| シナリオ | 金利 | 月々の返済額 | 総返済額 |
|---|---|---|---|
| 変動金利(現状維持) | 0.7% | 約10.7万円 | 約4,503万円 |
| 変動金利(段階的上昇) | 0.7%→2.0% | 約10.7万円→約13.5万円 | 約4,900〜5,100万円 |
| 固定金利 | 1.8% | 約12.8万円 | 約5,380万円 |
変動金利が現状のままなら約877万円の差が出ますが、金利が段階的に上昇すると差は縮まり、 上昇幅によっては固定金利の方が有利になるケースもあります。
どちらを選ぶべき?判断の5つのポイント
固定金利が向いている人
- 返済期間が長い(30年以上) — 期間が長いほど金利変動リスクにさらされる期間も長くなる
- 家計に余裕が少ない — 金利上昇で返済額が増えると家計が破綻するリスクがある場合
- 繰上返済の予定がない — 長期間にわたり元本が大きいままなので金利上昇の影響を受けやすい
- 共働きではない・収入が一本柱 — 収入減リスクと金利上昇リスクの二重リスクを避けたい場合
- 返済額が変わる不安がストレスになる — 毎月の支出が確定している安心感を重視する方
変動金利が向いている人
- 返済期間が短い(20年以下)または繰上返済を積極的に行う — 金利上昇前に元本を減らせる
- 年収に対して借入額が少ない — 金利が上がっても返済負担率に余裕がある
- 貯蓄に余裕がある — 金利上昇時に繰上返済や借り換えで対応できる
- 共働きで世帯収入が安定している — 片方の収入で返済を継続できるなら金利上昇にも耐えられる
- 金利動向を定期的にチェックできる — 必要に応じて固定への借り換えなど機動的に対応できる方
迷ったときの目安:「金利が2%に上がっても返済を続けられるか」をシミュレーションしてみましょう。 問題なければ変動金利で低金利のメリットを享受し、厳しければ固定金利で安全策を取るのが一つの判断基準です。
固定と変動を組み合わせる「ミックスプラン」
「どちらか一方に決められない」という方には、借入額の一部を固定金利、残りを変動金利にするミックスプランも選択肢の一つです。
ミックスプランの例
- 借入額4,000万円のうち、2,000万円を固定金利・2,000万円を変動金利に分ける
- 固定部分で安心感を確保しつつ、変動部分で低金利のメリットを享受
- 金利上昇時のダメージを半分に抑えられる
この記事の内容を実際にシミュレーションしてみましょう
住宅ローンシミュレーターで試してみるまとめ
固定金利と変動金利のどちらが正解かは、金利動向・家計状況・性格によって異なります。 大切なのは、それぞれの仕組みとリスクを理解した上で、自分のライフプランに合った選択をすることです。 当サイトのシミュレーターでは、3つの金利シナリオで返済額の変化を確認できますので、判断材料としてご活用ください。